食品衛生
ノロウイルスとは
ノロウイルスは、英語でNorovirusと綴ります。最初にこのウイルスが検出されたのは、1968年にアメリカのオハイオ州ノーウォークという町にある小学校で、急性胃腸炎の集団感染が発生したときです。そこで、町の名前をとって、ノーウォークウイルスと命名されました。また、このウイルスの形が他のウイルスよりも小さく、球形であったため、「小型球形ウイルス」とも呼ばれておりました。その後、研究が進み、非細菌性急性胃腸炎をおこすウイルスの大部分を占めるこのウイルスを「ノロウイルス」と呼ぶことに正式に決まりました。これは、2002年の国際ウイルス学会でのことです。
日本における
ノロウイルスによる食中毒現状
2004年度の事件数では、細菌性食中毒のカンピロバクターに続いて、2位に増加してきており、また患者数では1位となっています。ノロウイルス食中毒は、1件の事故で、大規模な食中毒になりやすい特徴があります。
日本における
ノロウイルスの現状
ノロウイルスの食中毒事故による死亡者の報告はまだありません。しかし、ウイルスの感染が広がると、お年寄りや乳幼児など、免疫力や体力の低下した人の場合、死亡につながるケースもあります。2004年から2005年にかけて発生した福祉施設や病院などのノロウイルス集団感染事例では、236施設で感染があり、患者数7821人、死亡者数12人と報告されました。
ノロウイルスが発生しやすい時期
ノロウィルスは夏季よりも、冬季に多く発生しています。特に、11月―3月ごろに増加します。一般的な細菌性食中毒は、夏季の暑い時期に発生しやすいのに比べて、特徴的な傾向です。なぜ冬に多いのかについては、諸説ありますが、原因食品とされているカキなどの2枚貝を生で食するのが冬季に多いためではないか、と考えられています。